黒鍵の2つ3つグループを見つけるには?

ピアノの鍵盤のならびは黒鍵を目印に考えていきます。

黒鍵には2つグループと3つのグループがあります。

  • ドレミには2つの黒鍵
  • ファソラには3つの黒鍵

これを目印に音の場所を覚えていきます。

3歳以降になると、2つ、3つのグループを見つけやすくなりますが、どのような理解ができていないと難しいのでしょうか?

また、日常でこの活動ができてから、黒鍵の2つ、3つグループ分けに入ることで、子どもにとってもとてもスムーズに進めることができます。

グループ分けするには?

グループ分けにはこのような手順でとり組みます。

  1. 色わけなどで、「仲間」にわける
  2. 複数のものから、絵や数字などの「一緒」を見つける。(形が同じと分かる)
  3. 数字が数と数量がある程度一致してくる
  4. 「多い」「少ない」の違いがわかる
  5. ものを順番に指さししながら数えられる

ここまでできたら、黒鍵グループの仲間わけはできると思います。

仲間、一緒、違う、の区別をつける

「一緒」「違う」という活動はピアノにとってとても大切な活動です。

一番取り組みやすいのは「色」「形」の区別です。

1歳前後のおもちゃにこのような活動が組み込まれていることが多いと思います。

  • 形もおなじものを色で分ける(と、その逆)
  • 色は一緒だけど形が違うもので分ける(と、その逆)
  • 同じ種類で分ける(果物、動物などの絵本やカードなど)
  • 複数のものから「見本と同じ」を見つける
  • 間違いさがしをする

たくさんの過程があります。

ピアノの鍵盤は白と黒です。
そして、黒鍵の2つ、3つのグループは大人なら分かりますが、まだ気が付かないうちは「黒のところ」という認識で「すべて一緒」になっています。

「一緒」「違う」と同時に数量的感覚も必要です。

数量的感覚は身近なもので

2歳前後になると「いち、に…」と数えられるようになります。

その時期に可能な限り、数量的感覚を同時につけてあげると一緒に理解ができます。

  • 数字の形の理解(1、2、3…)
  • 数字の読み方の理解(いち、に、さん…)
  • 数字の大きさ、量の理解

これらは同時期に身につけたい内容です。

2歳からのワークでもこの活動がたくさん出てきます。

「多いのはどっちですか?」
ということです。

パッと見て、多い、少ないの違いは子どもにとってはそれほど難しい内容ではなく、大人が意識をさせにくい内容です

(それ以外にも「高い、低い」「大きい、小さい」「はやい、おそい」「弱い、強い」などの反対言葉は日ごろから意識したい内容です。)

「何個あるか?」
ということより、まずは
「多いか少ないか。」

それを感覚的に違いがわかるようになってから、実際に数を数えていきます。

順番に数えるのは難しい活動

順番に数えていくのはとても難しいと思いました。

こちらは根気強くワークで行いました。

数への理解の土台がある程度できてから、ものの数を指でさしながら順番に「いち、に、さん…」とよんでいきます。
はじめは適当に指さししていたり、順番にできません。

はじめは大人が指さし数える。
次に子どもの指をもって一緒に何度も数えてやります。
その活動を何度か繰り返すことで、「1つずつ数えるんだ」ということがやっと理解できます。

同時に鍵盤教具を使って白鍵を「ド~シ」まで順番にのぼるという活動も行っていました。
手作り教材に色をつけていることから、自然と順番にのぼれるようになりました。

1つ1つの鍵盤を別物ととらえ、音に名前がついている…ということがわかってから1つ1つ丁寧に押せるようになりました。

「一つずつ鍵盤を左から押さえていく」

ということに慣れ、数量的感覚が付いてきたころには一人で指さしながら数えられるようになっていると思います。

提示すること。土台が整っているか確認すること。

なんでもそうですが、まずは大人がやって見せます。
教えるのではなく、提示します。

上記に書いた下準備ができてからの黒鍵グループへの導入は、まずは絵カードを使って行いました。

この絵カードの裏には対応したリズムがきます。
2文字のもの、3文字のものだけ取り出して、それぞれ黒鍵の上に置いていきます。

そして、いつもは適当なところでリズム打ちしていますが、2つのものは2つの方、3つのものは3つの方、と限定します。

裏のリズムが理解できていたら「どっち?」という言葉だけでそちらをトントンしてくれます。

いつもと同じ歌で、同じ活動ですが、黒鍵2つ、3つのグループが目に入るようにしています。

そして、鍵盤には黒と白があることを改めて説明。
この時、指示した方の色に注目出来るようになっていたら、黒だけのぼったりおりたりしていきます。

大人は「1、2。1、2、3。」と言いながら。
子どもはそれを耳に入れています。

その後にやっと提示です。

「ここ、2つだね」と。
それだけで何のことかわかるようになっていたらそれでOK。
わからなさそうだったら、無理に教えません。

きちんと理解できる土台が整っているか、確認します。
そして黒鍵へふれる機会をたくさん作り、数週間開けてもう一度。

どんな活動も土台が整っているかの確認を。

この幼児期は成長の過程が本当にさまざまです。

昨日わからなかったことが急にわかったりする時期でもあります。

たくさんの点を作って、それをつなげるようにしていかなければいけません。

  • 「教える」というよりは「提示する」。
  • 理解ができる土台が整っているかの確認を行う。

どの活動でも、はやければよいわけではなく、成長に応じて行っていく必要があります。

まだ子どもは知らないだけかもしれません。

「多い」という言葉はどんな意味なのか。
数はどんなものなのか。
まとまりを見つけられるか。

1つずつ理解ができているか確認していく必要があります。
これができていないと、子どもにとってはちんぷんかんぷん。

何言ってるかの理解ができず、ほかの興味へ移っていきます。

大人はしっかり子どもの目線や顔つきも観察し、理解ができているか確認しながら進めてあげてください。